電気泳動式電子インク(electrophoretic ink)技術は、一般的に電子インク(electronic ink)と呼ばれています。プラスチックフィルム上に電子インクを塗布し、さらに薄膜トランジスタ(TFT)回路を貼りつけ、駆動ICで制御してピクセル図形を形成することで、電子ペーパーディスプレイ(Electronic Paper Displays, EPD)ができ上がります。

電子インクで使用する原料は印刷産業と同じようなものですが、化学、物理学、電子回路等の分野における知識や技術を融合させることによって、電子インクという全く新しい材料がこの世に誕生しました。他のディスプレイ技術との最大の違いは、電子ペーパーは反射式、バイステーブルなディスプレイ技術であるという点です。そのため、視覚上伝統的な紙媒体のように目に優しく、低消費電力を実現することができます。

2色電子インクの原理

電子インクは、数百万個ものマイクロカプセル(microcapsules)からなっています。マイクロカプセルは、人の髪の毛の直径ほどの大きさになっており、マイクロカプセル一粒一粒に、マイナスに帯電した白色顔料と、プラスに帯電した黒色顔料という2種類の電気泳動式粒子が含まれていて、それぞれ透明な液体の上下に浮かんでいます。プラスとマイナスがそれぞれ反対の電極へ吸着する原理を利用し、電界に電気を通すと、そのエリアに対応した黒色または白色の粒子がマイクロカプセルの上部へ移動していき、そのエリアが白色または黒色に映ります。

複数のカラー粒子を使用すれば、可変色電子ペーパーPrismができ上がります。

3色電子インクの原理

E Inkは、3色電子インクシステム(モノクロ+赤色か黄色)も提供しており、近年では特に電子棚札(Electronic Shelf Label、略称ESL)への応用事例が増えています。

3色電子インクシステムの動作原理は、2色システムと同じように、異なる電圧を加えることで、各種カラー粒子が上層へ移動し、様々な色を表します。3色システムは、マイクロカップ技術(Microcup®)を用いて開発されています。

アドバンスドカラー電子ペーパーディスプレイ(Advanced Color ePaper, ACeP)

2016年、E Inkは多色電子インクシステムを発表し、これをアドバンスドカラー電子ペーパーディスプレイ(Advanced Color ePaper, ACeP)と名付けました。ACePカラー電子ペーパーは、色のついた粒子によって、カラーフィルムを必要としないフルカラー表示を実現しました。これは、マイクロカプセル(Microcapsule)またはマイクロカップ(Microcup®)アーキテクチャを使って実行することができます。

2色または3色電子ペーパーと同様に、ACePも優れた低電力性、紙のような質感、日光下での視認性といった特徴を備えています。