E Ink News

13

2023 . Mar

プレスリリース

ハーバード大学の研究により、E InkのePaperはLCDディスプレイより最大で3倍、目に優しいことが判明

ハーバード大学公衆衛生大学院の研究がディスプレイから発せられるブルーライトの悪影響を比較、目の健康に対するE InkのePaperのメリットが明らかに

マサチューセッツ州ビレリカ --(BUSINESS WIRE)-- ePaperテクノロジーを開発したパイオニア企業であり、その販売でも世界をリードするE Ink(8069.TWO)は本日、人間の網膜細胞がディスプレイから受ける影響について、論文審査を通過した研究の結果を公表しました。ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院の細胞プロファイリング・サービス・コアを通じた今回の委託研究からは、輝度が高くてブルーライト(寒色の光)の強いディスプレイほど、網膜細胞にもたらすストレスのレベルが高いことが明らかになりました。研究の全文詳細は、『Journal of the Society for Information Display』(http://doi.org/10.1002/jsid.1191)でご覧いただけます。


「ディスプレイのブルーライトの安全性に関する既存の提言は、ディスプレイが発する光のスペクトルを根拠としています。今回の研究では、市販のディスプレイにさらされた網膜細胞の実際の反応を測定することに努めました」


Nielsenによれば、平均的な成人は1日に約13時間をディスプレイの前で費やしています。こうした画面を見ている時間には常に代償が伴います。標準的な液晶ディスプレイ(LCD)やLEDスクリーンが発する高エネルギーのブルーライトは、一度に何時間も目に受けていると有害となる可能性があります。ブルーライトは目の網膜細胞に危害を及ぼし、就寝時間近くにブルーライトを浴びると睡眠誘導ホルモンであるメラトニンのレベルが低下して、体内時計や回復性睡眠が阻害されます。ハーバード大学の研究結果の重要ポイントは、以下のとおりです。


• ディスプレイから発せられる光スペクトルは、網膜細胞へのストレスの主要な誘因の1つである。

• 網膜細胞は、ブルーライトによってストレスを受けると「活性酸素種」(ROS)を生じさせる。ROSは画面を長時間見ていると蓄積され、網膜の光酸化損傷につながる可能性がある。

• E InkのComfortGaze™フロントライトなどのデバイスは、LCDデバイスと比べて最大3倍、網膜細胞へのストレスが少なかった。

• 色温度設定は網膜細胞へのストレスのレベルに影響を及ぼす可能性があるが、LCDの日中モードや夜間モードへの色調整は、目の安全に向けて設計されたスペクトルによるライティング・ソリューションと比べて効果が低い。

• フロントライトのないE Inkのデバイスは、網膜細胞にストレスを与えるブルーライトを一切発しない。

「ディスプレイのブルーライトの安全性に関する既存の提言は、ディスプレイが発する光のスペクトルを根拠としています。今回の研究では、市販のディスプレイにさらされた網膜細胞の実際の反応を測定することに努めました」と、ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院バイオメディカル・イメージング研究所のプリンシパル・リサーチ・サイエンティストであり、マサチューセッツ州ネイティックのバイオイノベーション・インスティチュートで研究ディレクターも務めているRick Rogers博士は述べています。


この研究では、LCDとフロントライト付きePaperという2種類のディスプレイで比較が行われました。LCDとePaperには、光の使い方において重要な違いがあります。LCDディスプレイは、画面上で画像を見えるようにするためにバックライト(多くの場合はLEDベース)を使用して、LCD材料を通過する光を発します。それに対して、E InkのePaperディスプレイはまるで紙のようなものであり、いかなる光も発しません。その代わり、環境光の反射によってディスプレイを照明します。文字などを見るのに十分な光量のない、薄暗いまたは真っ暗な環境では、ePaperディスプレイはフロントライトを利用し、それが内蔵型ブックライトの役割を果たします。


この研究では、コールドホワイト、ウォームアンバー、および新式のE Ink ComfortGaze™フロントライトという、タイプの異なる数種類のフロントライトを使ってePaperデバイスのテストが行われました。ComfortGaze™は、ディスプレイ表面から反射されるブルーライトを軽減できるように設計されており、ブルーライトが少ないスペクトル出力と、黄色みが強くない色相のライティングで、より快適に文字などを見ることができるようになっています。


研究からは、使用されているLEDの「色温度」による大きな違いが明らかになりました。寒色の強い日中モードでは見た目が青白くなり、暖色の強い夜間モードでは黄褐色になります。例外は、夜間モードのアンバーホワイトの色合いを生じさせることなく危険なブルーライト出力を削減できる、ComfortGaze™でした。ウォームホワイト・モードのE Ink ComfortGaze™を利用したデバイスは、網膜細胞のROSストレスが(LCDと)同レベルに達するまでに、コールドホワイト・モードのLCDよりも3倍、ウォームホワイト・モードの同じLCDよりも2倍長く使用することができます。


フロントライトのないePaperディスプレイは、印刷紙と比較した場合でさえ優位性を示しています。光沢のある純白の紙には蛍光増白剤が含まれていますが、E Inkのディスプレイにはそれが含まれていません。このような増白剤は、印刷紙のきれいで青みがかった鮮やかな白色を作り出す一方で、ブルーライトの反射も増加させます。言い換えれば、E Inkのディスプレイは印刷紙よりも目に優しいとみなすことができます。

E Inkのアソシエイト・バイス・プレジデントであるLynne Garoneは次のように述べています。「今日のデジタルでつながった世界では、ディスプレイを見ている時間を削減することは困難な場合が多いのですが、すべてのディスプレイが同じ方式で作られているわけではありません。児童の保護者はますます、子供が学校と余暇の双方でディスプレイを利用する時間の長さを心配するようになっています。読み書きのために画面を見ている時間の一部を、目により優しいディスプレイに移行させることにより、私たちは目の健康を犠牲にすることなくつながりを維持することができます」


また、ブルーライトに関する研究の取り組みに加えて、E InkはディスプレイがCO2に与える影響の研究も行い、紙またはLCDとePaperディスプレイの双方を比較してきました。その研究結果からは、E InkのePaperディスプレイを使用すると、CO2排出量が大幅に削減されることが示されています。


• 一例として、125の支店を持つ金融機関が、E Inkのテクノロジーを利用したeNoteの採用によって毎年A4サイズの用紙を1,650万枚節減し、毎年およそ1,100トンのCO2削減に貢献しています。

• 過去5年間では、全世界で1億3,000万台のeReaderが利用されており、紙版の書籍の購入に取って代わっています。同期間を通して、紙の書籍であればE Inkのディスプレイを搭載したeReaderと比べて10万倍以上、LCDデバイスであれば50倍以上のCO2を排出していたであろうと見積もられています。

• 過去7年間にかけて、およそ3インチの大きさの電子棚札(ESL)が全世界で6億枚設置されています。価格や情報が1日4回変更されると仮定した場合、ePaperのタグを利用することにより、使い捨ての紙の値札と比べてCO2排出量を32,000分の1に削減することができます。

• 1日4回の更新という条件で、ePaperの値札とLCDの値札の5年間にわたるエネルギー使用量を比較すると、ePaperの材料の製造に消費される1 KWhごとに、400 KWhの節減が実現します。

• E Inkの低電力のePaperを利用すると、全世界の太陽光発電によるePaperの看板やバス停を、100パーセント再生可能エネルギーを使ったCO2排出量実質ゼロのデバイスにすることができます。

当該研究の詳細全文は、『Journal of the Society for Information Display』でご覧いただけます(http://doi.org/10.1002/jsid.1191)。

E Inkについて

マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディア・ラボで開発された技術を基盤とするE Ink Holdings Inc.(8069.TWO)は、eReaderやeNote、小売、家庭、病院、輸送、物流、その他の幅広いアプリケーションに理想的なディスプレイ媒体を提供し、これまで不可能だった場所へのディスプレイ設置を可能にしています。自社の電気泳動ディスプレイ製品により、E InkはePaperの世界的リーダーとなっています。E Inkは自社の低電力ディスプレイによってお客様のサステナビリティー目標の達成を実現するとともに、2030年までの100パーセント再生可能エネルギーの使用、2040年までの炭素排出量実質ゼロの達成を約束しています。E InkはThe Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)のメンバーで、Science Based Targets Initiative(SBTi)にも参加しており、また2022年には『フィナンシャル・タイムズ』紙、日本経済新聞社、およびStatistaから、「アジア太平洋地域気候変動リーダー企業」の1つに選出されています。台湾のタイペイ・エクスチェンジ(TPEx)とルクセンブルク市場に上場しているE Ink Holdingsは現在、ePaperディスプレイの世界最大のサプライヤーです。詳細については、www.eink.comをご覧ください。“E Ink. We Make Surfaces Smart and Green.”

お問い合わせ先

E Ink:

Anna Halstead

Racepoint Global

617-624-3213

eink@racepointglobal.com

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